穂高の森を駈ける<長野県安曇野市> [ラン旅]
毎年夏。
本格的にトレーニングを始めるのは、
いつも安曇野からに決めている。
8月は暑くて長い距離が走りこめない。
でも、秋のレースはだいたい11月ぐらいから始まるから、
8月に走りこまないと間に合わないのだ。
安曇野市有明にある穂高温泉郷は標高500メートルくらい。
盆地のため日中の暑さは東京とさほど変わらない。
でも、直射日光を遮る森の中のコースは、
もう何年も走り続けているお気に入りのコースだ。
朝7時。
鳥の声、そして早くも蝉の声がうるさいほど聞こえてくる。
森の中を進む。
2軒隣にあるペンションの駐車場は満杯だ。
それもそのはず。
世間はお盆休みの真っ只中だ。
しばらくは森の中に別荘が点在する中を進む。
トイプードルを連れて散歩するご夫婦。
「おはようございます」あいさつしてみる。
ご夫婦はチラっとこちらを見た。
のんびり朝の散歩をする人たちには、
私のような大柄の男が走って近づいてくるのは、
ちょっと不気味な印象を与えるのだろう。
何年も同じコースを走っているが、
実は、時々間違えることがる。
森の中で目印が少なく、
案内標識も見逃してしまうことがるからだ。
今回は注意深く探しながら満願寺方面へ向かう。
森を抜けると、
見晴らしの良い棚田が広がる。
盆地の向こうには、美ヶ原などの山々が見えるはずだけれど、
厚い雲に覆われている。
まあ、おかげで涼しく快適に走れるのだ。
ちょっとした集落を通り抜け、
渓流沿いに山道を登ると、
満願寺の入り口だ。
木造の古い橋が見えて来る。
名前は「微妙橋」。
橋が架かっているのは看板によると「三途の川」なそうだ。
満願寺へは急な勾配を上るので無理はしない。
やはりしんどいことはしんどいのだ。
湧き水を手ですくって喉を潤し、
来た道を走り始めた。
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