筑後川をめざして<佐賀県鳥栖市> [旅ラン]
雨はあがっていた。
雲の切れ間も見えている。
そうなれば、走るしかない。
しかし、どこを目指せばいいのか?
佐賀県鳥栖市は物流の町。
九州自動車道や大分道、長崎道が交差する中心にある。
多くの企業が工場や倉庫をかまえている。
周囲に大きな山も見あたらない。
スマホで地図を見ると、
福岡県久留米市との境を筑後川が流れていた。
ここに行こう。
ホテルを出るとすぐ鳥栖駅がある。
町の規模はなかなかなのに、
こじんまりした雰囲気のある駅舎だ。
その向こうには大きなスタジアム。
そういえば鳥栖にはサッカーチームがあったっけ。
地図で見当をつけたように南下する。
すぐに郊外に出た。
かなり雨が降ったために、
歩道のところどころに水たまりがあり、
行く手を遮る。
歩行者が少ないのか、
背の高い雑草が足にあたる。
回避するために農道に迂回する。
堤防に出た。
筑後川に合流する別の川だ。
国道の橋は交通量が多く、
歩道は狭い。
60㎝くらいか?
ひょっとして、歩道ではないのかもしれない。
しかし、四方見てもほかに橋は見あたらない。
帰りもこの橋を渡るのか。
久留米市の表示が見えた。
旅ランで初めて県境を越えた。
そしてすぐに筑後川だ。
この上流の日田市では鵜飼も行われている。
正面に久留米大医学部の立派な建物。
「久留米は松田聖子とかチェッカーズとか、
有名人がいっぱい出ているんですよ」。
以前、福岡に住み始めた頃、
後輩に教わったことを思い出した。
「医大通り」と書いている通りは広くて走りやすい。
ひときわ目立つ大きなビルは市民ホールだ。
駅前通りを右に折れる。
古い商店街が並んでいるイメージだったけど、
久留米は新しい、都心にほど近い新しい街のようだ。
駅も新しくおしゃれな印象だ。
大きなタイヤが飾られていた。
「ゴム発祥の地」
アサヒ、ブリヂストンなどが製造を始めたらしい。
アサヒってなんだろう?
さて、妙案が浮かんだ。
もし、ちょうどいい電車があったら、
それに乗って鳥栖に帰ろう。
すでに8km。
本当はもっと距離を稼ぎたいけれど、
あの橋を渡りたくない。
鳥栖方面行き鹿児島本線は17時53分発。
時計を見ると17時52分。
お金はないが、スマホにSUICAがある。
タッチして、すぐにホームを目指した。
乗ったとたん、2両編成の電車が動き出した。
こんな旅RUNもいいな、と思った。
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