4シーズン連続サブ4に挑む [佐倉朝日健康マラソン]
だからフルマラソンはおもしろい [佐倉朝日健康マラソン]
佐倉マラソン報告 [佐倉朝日健康マラソン]
サブ4への挑戦 [佐倉朝日健康マラソン]
空を見上げる。
雲一つない青空だ。
天気予報では、曇りのち雨のはず。
雨が降りそうな気配は、今のところない。
直射日光があまりにきついので、
上に着るのはTシャツ1枚だけにした。
アームウオーマーも用意していたが、ポケットに入れた。
念のためサングラスを持ってきて良かった。
スタート後、しばらくは下り坂が続く。
ふと、前を見ると、見慣れた後ろ姿。
修行僧(ニックネーム)だ。
このところ、彼は連続で3時間50分台で走っている。
格好のペースメーカーになる。付いていこう。
10km。
58分。まあまあのペースだ。
これを維持すれば、サブ4の可能性は高いはず。
でも、最後までペースを維持できればのことだ。
15kmすぎ、最大の難所となる上り坂だ。
かなり急だし、長い。
GPSを見るとペースは6分30秒まで落ちていた。
18km。
通り過ぎた時、目の隅で見覚えのある青い旗を見た。
KANPEIコーチとマルシアさんだ。
私の前を行く修行僧に声援を送っていたが、
私が振り向いて手を上げると気づいてくれた。
20km。
ここまでずっと、km5分35秒前後と、
見事に一定のペースを刻む修行僧だが、
5分50秒くらいまで落ちてきた。
すぐに修正して上がるはずだと思ったが、
いっこうに上がる気配がない。
ずっと付いていって、40kmくらいで抜くイメージでいたが、
このままではサブ4は難しい。抜くことにした。
「修行僧さん」。並んで声をかけた。
「ああ」。彼は短く答えた。
もともと修行僧とは、ほとんど話をしたことがない。
声をかけても、いつもそんな感じで、
しかめっ面をしている。
基本的に女性としか話さない人なのだ。
ペースを上げた。
そんな修行僧のおかげで、
前半はずっと㌔5分35秒くらいのペースを保っていた。
目標がなくなると、いっそうきつくなった。
中間点。
1時間59分。
サブ4ギリギリのペースだ。
落とすわけにはいかない。
実は、すこしは貯金があるかと思っていたのだが。
ハーフの電光板では2時間0分55秒くらいだった。
少しでもペースが落ちたら4時間は切れない。
左手に、またもKANPEIコーチとマルシアさんの姿が見えた。
でも、挨拶する余裕はない。
KANPEIコーチが見つけて声をかけてくれた。
小さく手を振った。
マルシアさんに名前を呼ばれたが、
振り返るほどの力もない。
すると、マルシアさんが駆け寄って来てくれた。
差し出されたタッパーに、真っ赤なイチゴがたっぷり入っていた。
3つつまんだ。
乾いた体の隅々に行き渡るような気がした。
文句なしで、今まで食べたどんなイチゴよりも美味しかった。
マルシアさんは、私の左手を走っていた女性にも「よろしければどうぞ」差し出した。
その美人女性も喜んで食べていた。
30km
2時間50分。
あいかわらず、サブ4ギリギリのペースだ。
28km地点に大きめのエイドコーナーがあるのだが、
食べている時間がなかった。
周囲はずっと田園風景。
眺めは悪くないが、単調だ。
おまけに、ようやく太陽が隠れたと思ったら、
今度は強い向かい風だ。
おやっ。前を走るのは副隊長・ゴードンさんではないか。
サブ3.5も近いはずなのに、こんなところに。
気配を感じたのか、近づくと振り向き、
「まだ、サブ4行けるよ!」と声をかけてくれた。
私は声を出す余裕もなかった。
苦しい。
サブ4は、こんなに厳しいものなのか。
もし、今、ペースを30秒落としても達成出来るなら、
すぐにでも落とす。
いや、10秒でも落としていいのなら。
落としたい。楽をしたい。
その後も単調な道が続く。
35km。
3時間21分。
5分30秒ならサブ4達成だ。
でも、6分以下では4時間は切れない。
何度もGPSを見た。
体は正直だ。
気がつくと5分50秒くらいのペースに落ちている。
体も、楽をしたがっている。
実は、今回はサブ4に自信があった。
それだけの練習は積んでいる。
周囲もそう思ってくれているはずだ。
4時間切って当然だと。
だから、ひそかに3時間50分を切ろうと思っていた。
そうすれば驚いてもらえるはず。
だけど、今回もサブ4は無理かもしれないと思い始めていた。
歯を食いしばってペースを上げる。
最後の最後にある上り坂はかなきつい。
5秒でも、10秒でも、それまでに貯金を作っておきたい。
38㎞の砂利道を抜けた。
声をかけられた。
S村さんだ。
でも、声を上げる余裕はない。
小さく、手を上げた。
私は知っている。
S村さんの隣に、ちょこんと置いてあるポットには、
熱々の美味しいコーヒーが入っていることを。
「ありがとう」そう言って一緒にコーヒーが飲めたら、
どんなに楽しいことだろう。
そういえば、前日からカフェインを絶っているせいか、
トイレには行きたくならない。
コーヒーも、緑茶もやめて、経口補水液しか飲んでいない。
やはりカフェインの利尿作用は侮れない。
40km。
3時間48分。
6分ペースまで落としたらサブ4は無理だ。
最後の坂道を前にペースを上げた。
上げても、上げても、気がつけば落ちている。
それほど風は感じなくなった。
雨は、まだ降らないだろう。
坂道だ。
おばあさんのような、小柄な女性に抜かれた。
これが実力の世界だ。
果たして、サブ4は成るのか?
去年の佐倉朝日健康マラソンでは、
自分のGPSでは4時間14分と、初めて15分を切ったと思ったのに、
記録証をもらってみたらタイムは4時間16分だった。
タイムがぎりぎりだとしたら、
ネットの記録達成は、記録証を見るまでわからない。
1分でも、いや、10秒でも縮めておきたい。
最後の急な坂道を上った。
厳しい。
上げたくでも、上げられるわけがない。
そしていよいよ直線コース。
電光板が見えた。
4時間は過ぎていた。
グロスでのサブ4はなくなった。
4時間0分55秒という表示直後にゴールした。
でも、ネットでは切れるかもしれない。
一応、ガッツポーズでゴールした。
サブ4かどうか、記録証を見ないとわからない。
その前に、ポカリスエットを飲んだ。
自分をじらしてから、記録証をもらった。
4時間は切れたのか?
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今回、佐倉へ行く途中、
スマホを落として壊してしまいました。
だから、連絡とりたい方ともとれなくなりました。
写真もありません。
応援して下さったKANPEIコーチ、マルシアさん、S村さん、
ありがとうございました。
そして、初マラソンでサブ5を達成したT梨さん、
おめでとうございます。
これまで応援して下さった皆さん、ありがとうございました。
想像以上に、苦しい苦しい戦いでした。
必勝のゼリー! [佐倉朝日健康マラソン]
サブ4への本番がいよいよ近づいて来ました。
今のところ天気予報では、午前中は曇り。昼ぐらいから雨。
気温は朝から11℃以上もあります。
湿度が高く、最高気温も17℃まで上がりそうなので、
かなり暑く感じるでしょう。
これまで、多くのレースで長袖の上にTシャツを着ていましたが、
Tシャツ1枚とアームウオーマー(明日買いに行きます)
の組み合わせで走ろうと思います。
これまでのレースでは、前日走っていましたが、
疲れが残っていることが多かったので、
試しに明日(土曜日)は走らず、ゆっくり休みます。
写真は当日走りながら摂取する予定のサプリとゼリーです。
本番直前に左端のVESPA(スズメバチ抽出エキス)を飲み、
その後はメダリストのエナジージェル、ウェイダーのエネエイド、
メダリストのアミノダイレクト(顆粒)などを、
適宜、走りながら摂取します。
ゼリーが血糖値を上げて、BCAAとクエン酸が疲労を取り去ってくれるらしいです。
実力がないので、薬物に頼って走るのです。
500kmですって [佐倉朝日健康マラソン]
先日、今年の走行距離が500kmとの表示が出てきました。
epsonのGPSを使って走り、
パソコンに接続すると、サイトが立ち上がり、
ペースが速かった時とか、長い距離を走った時とか、
このように励ましてくれるのです。
もっと走っている方も大勢いらっしゃるでしょうが、
私にしては、ずいぶん走ったものだと、しみじみ。
レースまであと5日。
これからはペースダウンして、
当日に疲れが残らないようにしないと。
佐倉朝日健康マラソン報告 [佐倉朝日健康マラソン]
家を出ると、大粒の雨だった。
4週間前の静岡マラソンを思い出した。
でも、気温は10度以上ある。
あれほど寒い思いはしないだろう。
京成佐倉駅を降りると、雨は降ってはいなかった。
5分ほど並んで会場の競技場へ向かうシャトルバスに乗った。
駅で佐倉マラソンの経験者二人、Mさん、W隊長と会い、
まずはアドバイスに従い200円払って荷物預け用の札を借りた。
着替えは、雨の予報だったので、脱ぐだけでいいように準備していた。
スタート前に荷物を預けようとしたら、
直前に札を借りた人たちは3000番台で、荷物預けの窓口には列ができていた。
到着してすぐに札を借りた、私たちは1000番台。窓口は空いていた。
なるほど、経験者のアドバイスは大切だ。
さて、スタートが近づいて来た。
私は、思い切って「3時間30分~4時間」のところに並んだ。
どこまでついて行けるか、試してみたかった。
雨の予報だったが、ゴミ袋カッパは着なかった。
最高気温は15度の予報だから、
暑すぎると判断した。
そして、今回は何よりスマホは持っていない。
撮影よりもタイム重視だ。
スタートの「パーン」という音が、はっきり聞こえた。
この位置だと、動き始めるのも早い。
しばらくは住宅街を下る。
GPSでペースを見ると、キロ5分40秒程度。
サブ4ペースだ。
ちょっと早いが、このペースでどこまで走れるのか試したかった。
でも、ちょっときつい。
6分少々ぐらいだと余裕があるのだが、
5分40秒だといっぱいいっぱいだ。
後ろから来たサブ4のMさんに抜かれた。
声をかけると、「5㌔まではアップダウンあるから慎重に」とのこと。
佐倉はコースのほとんどが田んぼの中だ。
平坦で記録が出やすいという。
10㌔まで、キロ5分50秒ペースできている。
4時間のペースメーカーが後ろから来た。
けっこうな集団だ。それだけサブ4を目指す人が多いのだろう。
付いていけず、そのまま見送った。
14㌔にさしかかると、かなり長くて急な上り坂道があった。
ペースは緩めずに走った。
20㌔が近くなると、左手に印旛沼が広がる。
でも、その風景を楽しむ余裕はなかった。
小雨が降ってきた。風も強い。
15㌔くらいまでは、ずっと抜かれ放しだったが、
周囲のスピードと私のスピードが合ってきたような気がする。
ここで最初のゼリーをとる。
21㌔の中間地点。
GPSでペースを見ると、2時間5分。
悪くない。このままなら、4時間10分は切れるかもしれない。
後半にスピードを上げれば、きっと行ける。
前を見ると、見たことのある後ろ姿があった。
Nさんだ。私より速いサブ4のはず。
コンディションが悪いのだろう。
抜きながら「こんにちは」一言だけ、あいさつをした。
右は田んぼ、左は印旛沼。
天気が良ければ、田園風景が楽しめたかもしれない。
でも、ますます雨と風は強まっていた。
25㌔までは、ほとんどキロ5分50秒~55秒くらい。
2度ほど6分を超えたが、ほぼ予定通りのペースだ。
もし、仮に余裕があって、
30㌔過ぎてから5分30秒までペースアップできれば、
サブ4も夢ではないかもしれない。
でも、余裕はなかった。
28㌔付近の風車小屋の近くには規模の大きいエイドがあった。
ここに水、ポカリスエット、梅干し、パン、バナナなどのエイドがある。
でも、一度には全部食べられないから、
もっと分散してほしいと思った。
バナナも1本まるごと渡されるので、半分しか食べなかった。
気がつくと、GPSのペースはキロ6分5秒くらいに落ちていた。
スピードを上げたい。でも、上がらない。
サイクリングロードの道は細い。
あちこちに水たまりがあり、
それらを避けて走るようになった。
28キロまでは、これまでの最速ペースで来ている。
このまま行けるのか、それとも落ちるのか。
30㌔を過ぎたとき、
またも見慣れた後ろ姿を発見。
サブ3も間近と思われるYさんだ。
「Yさん」声をかけて、抜いた。
苦しそうな顔をしていた。
Yさんには申し訳ないが、ちょっと嬉しかった。
6分台には落ちたが、
それでも6分5秒程度はキープしていた。
まだ、最後に踏ん張れば、いい記録が出るかもしれない。
2つめのゼリーをとった。
34㌔を過ぎると、見通しの良い直線だ。
同時に、雨、風がいよいよ正面から吹き付ける。
スピードを上げたつもりだが、GPSを見ると全然上がっていない。
特に痛いところはない。
でも、なぜかスピードは上がらない。
前日まで石巻にいたため、
昨夜は11時半に帰宅した。睡眠不足だろうか。
ここからゴールまでの8㌔は、あまりに遠く感じる。
38㌔。道が未舗装道路になった。
しかも水だらけだ。
GPSで確認すると、36㌔から39㌔までは、
キロ6分14~18秒まで落ちていた。
あと3㌔。
もう4時間10分も難しいだろう。
しかし、なんとしても4時間15分か切りたい。
ふんばってスピードを上げた。
少し調子が出てきた。
抜かれもした。
でも、抜かれたら必ず抜き返すことにした。
なんとか5分台ギリギリのスピードになった。
わかってはいたが、運動場手前の上りはきつかった。
それでも、歯を食いしばってスピードを上げた。
ゴールが見えた。
もうすぐ終わる。4時間15分が切れそうだ。
ゴール手前、写真用にポーズを撮ってゴールした。
GPSでは、4時間14分55秒だった。
自己ベストは5分更新だ。
喜んでいいだろう。
でも、記録証を見て驚いた。
記録は4時間16分04秒。
ネットは4時間15分14秒。
GPSでは4時間14分台だったのに。
ちょっとがっかりした。
ゴール後、しばらく4時間30分くらいでゴールするはずの、
Wさんをゴール付近で待った。
しかし、姿は見えなかった。
そうしているうちに、寒くなってきた。
更衣室に行ったが、泥だらけ。
グランドの芝生の上で着替えた。
手がかじかんで、なかなか着替えられなかった。
おしまい。