大阪マラソン報告

容赦なく、前から日差しが照りつけて来る。
暑さとの戦いになる。
そう思った。

スタートゾーンはＤ。
申し込んだ時点で、目標タイムは3時間55分。
そう書いたからだろう。
かなりいい位置だ。
しかし、9月末から10月に膝痛で3週間走れなかった。
今回は4時間20～30分がいいところだろう。
タイムにこだわらないと話していたら、
レース中の写真を撮ることを請け負ってしまった。
そして、この日差し。
結果がどうなるか、見当がつかなかった。

号砲が鳴った。

並木道を進むと、すぐにスタートゲートだ。
右のステージには有名人が手を振っている。
その下の関係者席に知り合いを、つい、探してしまう。

並木道が切れると、とたんに太陽光が襲ってくる。
1㎞。ペースは、ほぼ6分。悪くない。

周囲よりいくぶん遅めに走っているのに、
ＧＰＳで確認すると5分台前半で走っていたりする。
スタート直後の錯覚はちょっと怖い。
意識してペースを落とす。
そのまま5㎞までは5分台後半で走る。
このまま持つのか？


5㎞を過ぎて、最初の水分補給。
汗をかいた体にしみる。思わず2杯飲む。
５㎞を過ぎ、難波から御堂筋に入る。
道頓堀だ。右手後方に、新しくなったばかりのグリコのマーク。
誰も振り返らない。
反対車線を先頭のランナーたちが通り過ぎて行く。
しまった。
直射日光を少しでも避けようと、
陰の多い右よりのレーンを走っていた。
トップランナーの走りを近くでは見えない。
しばらくは対面通行が続く。
お手玉をしているランナーがいた。
ゴールまでやり続けるのか？
ことわって写真を撮る。
撮り終わったらやめてしまった。

15㎞。1時間３１分。
まあまあのペースだ。
後半で上げれば、サブ４の可能性だってある。
ふたたびグリコのマーク。
ＬＥＤにより、いろいろな動きが出来るようになったとか。


このあと大阪ドーム方向へ。
いとこが応援に来てくれているはずだ。
どの辺だろう。

トイレが見えた。
個室には数人並んでいるが、
男性用は空いている。入るべきか？　いや、今日は大丈夫だ。
だけど、水分はやたらとっている。
これまでのレースでは、１箇所一杯と決まっていた。
今回は、スポーツドリンクと、水を２杯づつとっている。

大正橋を渡る。
広い通りの反対方向に、「ＪＡＣＫ」という看板が見えた。
もしや、私のことだろうか？
持っているのは、見覚えのある家族だ。
嬉しかった。
応援に来てくれるのはもちろん、嬉しい。
だけど、名前が書いてあると、もっと嬉しい。
でも、遠くて、声は届かない。
折り返してからだ。

応援がにぎやかになってきた。
そんなことより、早く彼らに会いたい。

２０㌔過ぎて、ようやく会えた。
彼とは、那覇を一緒に走る予定だ。
一緒に写真を撮っていると、
近くにいたプロカメラマンが「こっちお願いします！」
声をかけてきた。
自撮りしているランナーと、ファミリーが面白かったのだろう。
センスの良いカメラマンかも。

中間地点だ。
この時点で、正確なタイムは覚えていない。
まあまあのタイムだったはずだ。
でも、このペースは続かないことを、私は感じていた。
少し落とした。
いや、落ちたのかもしれない。

恵美須。
通天閣の近く。新世界の店にはあとで一杯やりにくる。
長橋あたりからは直線が続く。
コースとしては単調なのだが、応援はヒートアップして楽しい。

バケツで水をかけてくれるサービスがあった。
世話になる。
ああ、気持ちいい。
そのサービスの写真を撮ろうと、
しばらく待ったが、誰も願い出ない。
結局、タイムロス。

走り始めるとテレビクルーが前に数人。
レンズの先には元世界チャンプのボクサーがいた。
ヘロヘロのようだ。
世界チャンプを抜いたことを自慢したいところだが、
あんなヘロヘロでは誰でも勝てる。

３３キロ。
大エードステーション。
バナナ、梅干、冷やしキュウリ、パイナップル。
葛餅、チョコレート、まんじゅう、とにかくいっぱいあった。
片っ端から食べた。
もう、タイムは気にしない。
あとでGPSを見たら、
その区間の１キロが、１３分弱かかっていた。

さて、住之江公園付近に、ふたたび応援が待っていてくれた。
「jack」の看板のせいか、
近くの若い女性たちも私の名前をコールしてくれた。
素直にうれしい。
なんどもタッチした。


おかげで一瞬、疲れを忘れたが、
もう６分台前半には戻れない。
と、前方を見ると、ゴードンさん。
とっくにゴールしていると思ったが。
やはり風邪のせいだろう。
「どうぞ先に行ってください」
先に進むほどの力はないが、でも先に行く。

３８キロ。南港大橋。
最後の難所と呼ばれている。
どうなることかと思ったが、それほどのことはない。
大丈夫、前に進む。でも、もうスピードは出ない。
６分台、いや、もう７分近い遅さだ。

４０キロ過ぎた。まだ２キロもある。
ようやく、あと１キロになった。
でも、１キロは長い。
つらい。
もうすぐゴールだ。

目の前に、やっとそれが見えた。
４時間３５分。
誰もがゴールで両手を上げる。
私は、たぶん上げなかったと思う。

それは、サブ４にとっておく。



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最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

 

いざ、大阪へ！

いよいよマラソンシーズンの開幕です。

本日は、ゴードンさんと成田から関空へ。
関空には49歳初挑戦男さんが出迎えてくださり、
ランナー受付会場のインテックス大阪にらくらく到着。
ありがとうございました！
３人で撮った写真もありますが、
それは後程、顔をぼかしてupしましょう。

先週まで３週間走れなかったということで、
記録はあきらめているので、
気持ちは楽です。

心配なのは私のことより、
風邪でゴホゴホ、ゲホゲホなゴードンさんのことです。
「止めたほうがいいのでは」と言いたいのですが、
「死んでも走る」とか。
まあ、そんな状態でも私より先にゴールするのは、
間違いないかと思います。

機内からは、富士山がきれいに見えました。