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かすみがうらマラソン報告 [かすみがうらマラソン]

kasumi.jpg

 

スタートゲートを過ぎたというのに、しばらく立ち止まった。
前のランナーたちがクレーンの上のカメラマンに向かって、
ポーズをとっているためだ。
一秒でも惜しいランナーなんて、あまりいないのだろう。
かすみがうらマラソンは3万人近いランナーが出場する大規模なレース。
その後も、前のランナーを抜けずにキロを6分を超えるペースでゆっくり走る。

Dブロックからのスタートだったが、
東京や大阪、つくばなどと違ってブロック分けはゆるやかだ。
BやCなど、もっと前から4スタートすべきだったかもしれない。

5kmは29分。
かなり遅いペースだ。
巻き返しは出来るだろうか。

灰色の雲が空を覆っている。
天気予報では最高気温が20度ほど。
この時期としては平年並みらしい。
直射日光が照りつけるわけでもなく、
風もない。
コンディションには恵まれていると言えるだろう。

8km。
今回、出場を見送ったreikoneesanが沿道にいるはず。
道幅の広い通りの左右に目を凝らすが見つからなかった。

10㎞。59分。これから巻き返しもまだ可能だが。

15km。1時間27分。
ペースはそれほど落ちていないが、早くもない。

21kmすぎの中間点は2時間3分。
これから追い上げるのは難しい。
ペースを落としてFUN RUNにしようか。
そんな考えが何度も頭をよぎる。
いや、落としたらクセになる。
それに、落としたところで、楽が出来るわけではない。
遅ければ走る時間も長くなるだけだ。


中間点を過ぎてから、コースは霞ヶ浦に沿って平坦な道になる。
今日は帆掛け舟の姿は見えない。
右に、左に、近所の人たちの施設エイドが登場する。
梅干、クリームパン、お茶などをいただく。
どれもおいしい。

25km過ぎ、ゴードンさんがいた。
やはり風邪の影響だろう。
「機関車」と呼ばれる力強い走りではなく、
あえぐように上を向いて走っている。
声をかけると「がんばれ」と返ってきた。

1キロ5分30秒~40秒で走りたいが、時々6分台に落ちている。

30km。
後ろから名前を呼ばれた。
振り向くと、ランニング仲間のYTさんだった。
サブ3・5という記録を持っているが、
最近は練習不足のようだ。少しだけ並走したが、歩き始めた。


35km。3時間24分。
もう4時間は、切れないだろう。
ならば、もう少しゆっくりと、楽しんで走ってもいいのではないか。
何度もそう思った。

マラソンは自分一人のスポーツだ。
疲れも痛みも体調も、どんなに口に出して言ってみても、
実際のところ、他の誰にも理解できるわけがない。
自分の体に何度も、何十回も問いかける。
「もっと上げられるか?」「このまま行けるのか?」「喉が渇いたか?」
「ゼリーを摂るか」「バナナを食べるか」「少し落とそうか」「我慢できるか?」

42キロは意識と体との際限のない探り合いであり、
だまし合いでもある。
自分のペースは自分で決める。
思いがけず好タイムが生まれかもしれない。
途中で潰れることもあるだろう。
でも、結果はどうであれ、経験は必ず次のレースへの貴重な試金石となる。
マラソンの醍醐味が、そこにある。

35km。
キロ5分の前半を維持できるなら、
まだサブ4の望みはあるかもしれない。
でも、もういい。「だって、サブ4は達成したのだから」。
そんな言い訳が脳裏をよぎる。
「いいや、これで終わらない」
そう戒める自分も、まだいる。

折り返しを過ぎた頃、
霞ヶ浦のはるか対岸にうっすらと見えていたビル群などが、
はっきりと見えてきた。
ゴールの陸上競技場もその辺りだ。

もうサブ4の可能性はないだろう。
しかし、4時間10分は切らないといけない。
そうでも決めないと、際限なくタイムは落ちていく。

ゴール付近にいるはずのreikoneesanを今度こそ見つけよう。
ヘロヘロの姿は見せたくないから、
もう少しペースを上げよう。
姿勢に気をつけて、ペースを上げた。

意外に余裕があった。
もう少し早めにペースを上げても良かったかもれない。
自分で決めたペースだ。

霞ヶ浦の港のカーブを曲がったところで、正面にreikoneesanを見つけた。
名前を呼ぼうとした瞬間、隣にもう一人の仲間を見つけた。
どちらも私に気がついていない。
二人の名前を呼ぶ時間はない。
とっさに両手を叩いて、手を振った。

ゴールが正面に見えた。
シーズン最後のフルマラソンのゴールとなる。

多くのランナーが、ゆっくりと走ってカメラ向けのポーズをとる。
また、そこだけ急にスピードを上げるランナーもいる。
タイミング良くカッコ良くゴールするのは意外に難しい。

一応両手を上げてゴールした。
終わったことへの喜びが何より大きい。
しばらくフルは走らなくて済む。
これで、もうこの苦しみとはお別れなのだ。当分は。

グロスでは4時間14分。
記録証のネットタイムは4時間8分だった。

次のシーズン、15分は縮める覚悟で走らなくては。
昨年のかすみがうらは、4時間6分だった。
あれだけ走っても進歩がないのか?

いや、力はついている。
やはり、4時間少々と4時間を切ることには、
大きな差があるのだと改めて思った。

挑戦は続く。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
大阪、金沢、福岡など、来シーズンのエントリーが、
早くも始まっています。
エントリー、お忘れなく

 

 




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49歳初挑戦男

お疲れ様でした。
いつもながら分かりやすくリアル感が満載でハラハラドキドキで読ませていただきました。怪我なく無事にゴールできて安心しました。今シーズンが終わったんですか?100キロウルトラに出られるのでは?
兎にも角にもお身体を癒やしてください。
こちらは昨日から長崎の対馬に釣りに来てますが一人だけ坊主をくらい最終日の明日に向けて気合いを入れてます。笑
by 49歳初挑戦男 (2015-04-21 19:14) 

Jack

>49歳初挑戦男さん
ご指摘の通りで、ウルトラが残っています。
フルが最後っていうことですね。
ウルトラでは完走だけにこだわります。

ところで、大阪マラソンはエントリーしましたか?
当選のためには、Tシャツは必須とか。

対馬で釣りですか!
ターゲットはカンパチなどの大物でしょうね。
一発当たれば満足出来るでしょうね。
釣果も教えてください!
by Jack (2015-04-21 22:51) 

じゅんた

お疲れ様でしたー!
なるほど?。やはり最初の渋滞がすごいんですね。参考になりました。
僕はいつかのフルの申告時に、予想タイムを速いタイムに提示して、少し前からスタートしたいと思わせてもらえました。

今回惜しかったですね。でも頑張りが伝わってきました。足も気持ちも強いですね!
そして今度はウルトラですか?…すごいなぁ。


by じゅんた (2015-04-22 16:16) 

Jack

>じゅんたさん
ありがとうございます。
かすみがうらは珍しく、
申告タイムとは関係なくスタートできる雰囲気でした。

マラソンは気持ちですね。
でも、膝痛などの痛みに我慢は禁物です。
じゅんたさんが見送ったことは英断だと思いますよ。

初フルマラソン、いつになるのか楽しみですね。
by Jack (2015-04-22 20:59) 

49歳初挑戦男

こんにちわ。
大阪マラソンのエントリー情報ありがとうございます。
早速、チャリティティーシャツと同時にエントリーさしてもらいました。
神戸マラソンにも欲張ってエントリーしました。後は神様仏様にお願いするだけです。笑
実は昨日いつもの自分のLSDコース大阪城から中之島を経て大川沿いに淀川までを往復するコースを走ってたら前からゼッケンを付けた人たちにチラチラとすれ違うので何かとよく見たらな、なんと水都大阪ウルトラ100キロマラソンのランナーだったのです。
ゴールが大阪城だったみたいでまさに残りあと5キロから10キロの最後の苦しいところだったのでしょう。
一人一人にすれ違い応援の声をかけてました。
元気な人もいました。
走るより歩くこともままならない状況の人もたくさんいました。
100キロとはとてつもない距離だと
思いました。
凄いことに挑戦するジャックさんかっこいいーですよ。でも身体だけには気をつけてくださいね。応援してます。
by 49歳初挑戦男 (2015-04-27 20:23) 

Jack

49歳初挑戦男さん
私も、大阪マラソン、福岡マラソン、金沢マラソンにエントリーしました。
ただし、大阪のシャツは購入してません。
去年は当たりまくって散財したもので、
外れてもいいかな〜という感じです。
でも、神戸マラソンも楽しいらしいですね。

100キロに向けては、まだトレーニングしていません。
50kmを2回は走ったほうがいいらしいので、
GWの期間中に1度はトライしようと思っています。
歩くこともままならないなんて、ちょっと怖いです。

by Jack (2015-04-27 21:22) 

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